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宴会の違いについて

漁師の仕事はそうやって覚えていくもんだし、息子ながらやるなあ、と思うときもある。
自分の力が形になって見えるし、魚をとったときの、あのやったぁ/、という感動は、漁師をやっていてこその魅力ですね」高層ビルが立ち並ぶ海で、うまい魚がとれる。 埋め立てたり、廃水を垂れ流したり海辺をコンクリートで固めてしまわず、魚が産卵したり、かえった稚魚が育つ浅い海を守っていけば、私たちは素晴らしい自然の恵みをこれからも東京湾から受けることができるのだ。
「それらの営みが、大都会の目と鼻の先でいまも生き続けていることを、もっと多くの人に知ってもらいたいですね」プロの料理人の間に「塩振り3年」という言葉があるように、料理のうまいまずいの決め手は、塩。 にもかかわらず、みそや醤油のブランドにこだわる人はいても、塩を吟味して選ぶという話はあまり聞いたことがない。
「塩なんてしょっぱければみな同じ……、と思っている人も多いでしょうが、塩にだって、うまい塩とまずい塩がありますよ」と語るのは、H業のNさん。 Mさんによると、おいしい塩の条件とは「にがりが適度に含まれていること」だそうだ。

ご存じのとおり、塩は国の専売である。 現在はN産業(旧専売公社)が国からの委託を受けて販売しているが、この塩にはにがりはほとんど含まれていない。
では、にがりの入った塩はどこに……?というと、一部の業者が国から特別の許可をもらい、「00の塩」などと名づけて売っている、いわゆる自然塩がそれである。 「塩というのは水に溶ける土と思ってください。
大地に雨が降ると、その水は土を含みながら川に流れ、やがて海にたまる。 陽に照らされて水分が蒸発するとまた正体を現す、というのが塩なんです。
土から流れ出たミネラルを適度に含んでいる。 これが私たちが昔から食べてきた自然の塩なんです」なるほど毒水の成分に近いほど体によくおいしいということなのか。
「いえ、天然だから安全というのはひじょうにたわいもない発想で、自然のものだって、体に悪いものは悪い。 にがり、つまり塩化マグネシウムは大量にとり過ぎると腎臓を傷めてしまいます。
かといって、まったく入っていないと味に深みが出てこない。 要するに、適量を見極めることが大切なんです」Mさんがいう最もおいしい塩とは、「塩化マグネシウム、つまりにがり分が2〜3%、塩化ナトリウムが95%、残りが水分その他」だそうだ。
ところが、現在一般に売られている塩は塩化ナトリウムが100%に近いものばかり。 どうしてこのようなことになってしまったのだろう。

「日本では昔から塩田を利用して塩を作ってきました。 自然の力に、人間の労力と知恵を加えてきたわけです。
しかし、大量生産によるコストダウンをはかるため、昭和46年にイオン交換膜透析法という工業生産的な製塩法が採用されました。 それからというものにがりをほとんど含まない塩ばかりが作られるようになったのです」塩田による製塩とは、簡単にいえば「砂浜に海水をまく」「天日で乾かす」を繰り返して砂に十分な塩分をつけ、それに海水をかけて濃い塩水(かん水)を作り、釜で煮詰めて塩の結晶をとるという方法だ。
これに、海水の砂浜への取り入れ方や、にがり分を調整するさまざまな工夫を加えてきたのが、日本の塩作りの歴史である。 ところが、この昔ながらの塩田風景は、昭和46年を境に姿を消すことになった。
イオン交換膜透析法は、化学的に海水から直接ナトリウムイオンと塩素イオンを取り出すというやり方なのだ。 「確かにこの方法だと、天候に影響されず大量の塩を得ることができますし、にがりを含まない塩はサラサラしているから、計量や袋詰めが簡単になり、生産効率が上がります。
化学塩、私たちはこう呼んでいますが、は工業用として使うにはたいへんいいでしょう。 でも、私たちは人間です。
人間の体と舌には、昔ながらのミネラルを含んだ塩が合っているのです。 ためしに自然塩と化学塩を食べ比べてみてください。
化学塩のトゲトゲした塩辛さに比べて、自然の塩はやわらかく、甘みさえ感じるほどまろやかな味です」ちなみに自然塩がベタベタしているのは、にがりが水分をひじょうに吸収しやすいため。 これが気になる人は、焼き塩といって、フライパンなどで塩を炒めれば使いやすくなるそうだ。
ところで、塩には日本のように海水からとるものと、地中に埋もれている塩の塊、つまり岩塩がある。 欧米では岩塩を使っているところが多いが、イタリア、スペイン、フランスなど海に接した国では、海の塩を使っている。
「日本人の舌には、やはり岩塩より海の塩が合っていると思いますね。 その証拠に、日本には岩塩を使っているドイツ料理などのレストランより、フランス料理やイタリア料理店のほうがはるかに多いでしょう。

でも、日本人には洋食=岩塩=おいしいという誤った岩塩信仰がある。 プロの料理人でさえ、そう思っている人が多いのには驚いてしまいますね」よく、しゃれたレストランのテーブルに、自分でひく塩とコショウのセットが置かれている。
一見すると岩塩のようだが、正体は大粒の海塩。 日本では岩塩はとれないし輸入もしていないので、岩塩があるはずないそうだ。
「レストランに入ったとき、私はまずテーブルの上の塩を見るんです。 その店がどんな塩を使っているかで、料理に対する気遣いとか、店の質がわかる。
それから、日本食の本質は素材の味を生かすことでしょう。 それにはうまい塩できちっとやるしかない。
みなさんに、もっと塩に対して関心をもってほしいというのが、私の願いなんです」ブランドもの。 正直いって、私たちはコレに弱い。
ブランドというと、ひと昔前には「高級舶来品についているもの」という感じだったが、いまではあちらこちらにブランドなるものがある。 庶民の動物性タンパク源の王様、豚肉とてその例外ではない。
「豚肉のブランドは、品種によって決まるとお考えでしょう。 でも品種とブランドは基本的に違うんですよ。
豚肉の種類を考えるときには2つの観点があり、一つは豚の品種、もう一つは肉製品になったときのブランドなんです」そう語るKさんは、農林水産省畜産局食肉鶏卵課で畜産指導を専門にしている。 「豚は生物学上の分類では、イノシシと同じ分類に入ります。
そのなかで食肉用として産業的に飼われているものをブタと呼んで区別しています。 ただ、豚は人間が食べるということで、長い間に品種改良が進んだので、現在、世界に百何十種類もの品種があるんです。
日本の豚のおもな品種は、ランドレース、大ヨークシャー、デュロックの3つで、生産全体の7〜8割を占めています」さて、豚の生産方法だが、まず生後6カ月で生殖可能となった豚に種付けし、24日間の妊娠期間を経て、10〜14頭の子を産ませる。 その子豚に180〜190日の間餌を与えて飼育し、重さが20キロになったところで屠殺する、というのが一般的な工程だ。

「生産ポイントは、いかにたくさんの子を産ませるか、いかに少ない餌で短期間に20キロまで育てるか、ということです。 それが生産コストを抑えるテクニックであり、そのため、さまざまな品種改良がなされてきたのです」そのうちの1つが、品種を掛け合わせることで、より生産効率のよい豚を作ろうというものだ。

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